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映画『穴場求人 どすけべ優遇いたします』(2026年)を見てきた!しかしフィルマークスにも映画ドットコムにも投稿する場所がない!ということでここにお送りするものである。
本作はご紳士必需女優さんである入田真綾さん、桃園怜奈さんのダブル主演。今を時めく北岡果林さんも漫画編集者役で出演している。男性主演はなにものでもないプレーンな男性を演じさせたら指折りの若手俳優・櫻井保幸さん。桃園怜奈さん、北岡果林さんに関してはピンク映画初出演。
しかし桃園さんは一般映画『悪い夏』(2025年)に出演歴があり、北岡さんも前世時代に映画、ドラマに出演歴ありと演技レベルは申し分なし。


監督は笠松将さん主演映画『ファンファーレが鳴り響く』(2020年)の森田和樹監督だ。2026年6月19日劇場公開。上野オークラ劇場、横浜光音座2では7月2日まで。
※※映画『穴場求人 どすけべ優遇いたします』は、森田和樹監督が初めてピンク映画のフィールドに挑んだ意欲作である。一般映画で高く評価されてきた監督が、なぜ成人映画という制約の多い枠組みを選んだのか。本作を観終えたとき、その答えは「隠しきれない青春の衝動を、剥き出しの人間ドラマとして焼き付けたかったから」という明確な作家の意志として観客に突きつけられる。

物語の主人公・康生は、漫画家を志しているものの、実態は優柔不断で「何者でもない」自分に焦燥感を抱くフリーターだ。同棲中の恋人・瑞樹の支えがなければ一歩も踏み出せない彼の姿は、多くの観客が抱く「夢と現実の狭間で揺れる情けなさ」を象徴している。そんな彼が偶然見つけた求人は、エロ漫画家・ドロネコ先生(本名・弓子)の仕事場だった。

しかし、足を踏み入れた先は、ただの職場ではなかった。濡れ場の構図に一切の妥協を許さない先生との、文字通りの「精子を描きたいから作画の参考に」という名のもとに濃厚な行為に明け暮れる、背徳的かつ官能的な現場だったのだ。
本作の構造は極めて残酷である。一方で、康生を包み込む瑞樹との「日常の聖域」。もう一方で、弓子との「欲望の捌け口」。この二つの場所を行き来するうちに、康生にとっての「クリエイティブ」は、自己実現や社会貢献といった高尚なものではなく、自分の欲望を満たし、刺激を貪るための手段へと変質していく。瑞樹との平穏な愛は「守るべきもの」から「捨て去るべき足枷」へと変わり、康生は自らその聖域を崩壊させるカウントダウンを始める。
映画の後半、彼が迎える結末は身も蓋もないほどに滑稽で、痛々しい。瑞樹の浮気現場を目撃しながらも、それを咎める勇気すらなく、逃げ出した先で今度は自分が漫画家先生と情事に耽る。この「自分も同じ穴の狢である」というループ構造こそが、本作の本質である。瑞樹が他の男の元へ去ったのは、康生が瑞樹を「自分の所有物」のように扱い、大切にしなかったことへの当然の報いであり、彼自身もまた、他者を裏切る側の人間として描かれる。
特筆すべきは、桃園玲奈演じる瑞樹のキャラクターの多面性と、物語のディテールである。康生が必死に叫んだ「ちくしょう」という言葉を「ちんこ」と聞き間違えるシーンのエチュード的な妙味は、物語に奇妙な生命力を吹き込んでいる。また、北岡果林演じる編集者・美鈴が、康生の過剰な妄想とプロフェッショナルな現場の狭間で翻弄される姿も、この映画のスパイスだ。
森田監督は、康生を徹底して「ダメな奴」として描くことで、観客を挑発する。「働けよ」「何してんだよ」というツッコミが止まらないそのダメさは、まさに我々自身が社会の中で隠している「甘え」や「情けなさ」の鏡だ。しかし、同時に監督は彼を突き放すことはしない。「何者かになりたい」ともがき、自滅しながらも欲望に忠実であろうとする康生の姿には、どこか悲痛なまでの愛おしさが漂う。それは、かつて自分も抱えていたであろう「未熟な初期衝動」に対する、監督なりの弔いであり、再生への意志なのだろう。
結末において、康生は何者かになったわけでも、真実の愛を掴んだわけでもない。ただ、自分の撒いた種が自分の生活を壊し、それでもなお欲望の火種を消さずに生きている。この映画は、成功譚ではない。どれほど無様で、滑稽で、周囲を傷つけたとしても、自分の弱さを肯定し、その不毛なエネルギーを抱えて生きていくしかない――そんな人間の業そのものを描いた、痛々しくも人間臭い青春の記録である。
観終わった後、私たちは康生に対して「自業自得だ」と冷ややかに笑うと同時に、どこかで自分もまた、自分だけの「穴場」を探し、そこにある不毛な欲望で空虚を埋め合わせているのではないかという問いに突き当たる。森田和樹監督が仕掛けたこの落とし穴は、観客の心の中にある「見たくないけれど最も自分に近い自分」を浮き彫りにし、それを笑い飛ばすことで、明日を生きるための歪な強さを与えてくれる。成人映画という器に注ぎ込まれた、あまりにも切なく、あまりにも愚かな、等身大の人間讃歌なのである。
『穴場求人 どすけべ優遇いたします』
— 【世界5分前】「アベジュンヤ」『阿部隼也』 (@abejunya_) June 18, 2026
上野オークラ劇場本日夜公開です!!
1人でも多く劇場にご来場くださると出演者全員喜びます。
是非駅弁を食べてご来場くださると嬉しいです。
なぜ高校生以下が観れないのか永久に謎ですね。
宜しくお願い致します🙇
【出演】
入田真綾 / 桃園怜奈 / 北岡果林… pic.twitter.com/uQspeIrCTd
中野また面白い文章を書くレビュアーが現れましたな…。
嬉しい(*’▽’)
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コメント
コメント一覧 (1件)
まだ見ぬ世界が!Hunter作品もTREもそうだけどエロに興味あってもまだ知らないジャンル、場所っていっぱいあるんだなあ。櫻井さん調べたら映画で小泉ひなたさんの恋人役もやってた。小泉さん、元気にしてるかなあ。おっぱい大きかったなあ。