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SNSほか
| 作者:種梨みや | |
| 発売日:2022/09/28 | ページ数:25p |
| 出版社:キルタイムコミュニケーション | 掲載:タイガー小堺 |
| レビュアー:バブみ沢 | |
『壁尻』
それは壁からお尻だけを出してしまう、あのシチュエーション。
普通に考えれば、そんなものが法律として認められるわけがありません。
しかしながら現代日本でもたびたび話題になる、少子化問題対策として
「規定の年齢に達した男性は、同意した女性との性行為を無償で受けられる」
という、とんでもない法律が成立していたら?
今回紹介するのは、そんなトンデモ世界線を描いた『壁尻法案可決されました』。
作中では、この制度が「国民健康促進法」という名の法律として存在しています。
もちろん、誰彼構わず強制的に……というわけではありません。
奉仕活動に参加する女性が同意したうえで行われる制度になります。
いや、少子化対策としてそれを法律にするとか羨ましすぎるぞ。
というツッコミは避けられません。
そんな世界で、この制度を心の底から「くだらない」と思っているのが主人公の綾瀬玲奈さんです。

綾瀬さんは成績優秀な委員長。
将来は官僚になり、自分の手で社会を変えようと考えているような人物です。
当然、そんな彼女からすれば、この「国民健康促進法」も気に入らない。
「こんなふざけた法律、私が官僚になったら廃止させてやる!」
そんな考えを持っています。
ところが、この奉仕活動には参加者へのメリットがありました。
なんと、成績面や経済面での優遇措置を受けられるのです。
受験勉強に忙しい綾瀬さん。
「こんなくだらない制度に参加するなんて……」
と思いながらも、
勉強時間を無駄にせずに済むなら利用するだけ利用してやろう。
と、奉仕活動への参加を決めます。

ここまでは、完全に合理的な判断。
制度そのものには反対だけど、自分にメリットがあるなら利用する。
むしろ、この辺りの割り切り方が彼女らしい。
しかし――
彼女はまだ、この制度が自分に何をするものなのか、本当の意味では理解していませんでした。
⸻
奉仕活動では、個人情報保護のため参加者は番号で管理されています。
綾瀬さんに割り当てられた番号は、86番。
指定された部屋に入り準備を終えると、腰の位置でロック、そしてブースが開放されます。

そう。
ここでタイトルの「壁尻」が登場します。
顔や身元を晒すことなく、下半身だけが壁の外に出された状態で奉仕活動を受けるという、徹底した匿名システム。
「個人情報保護」という真面目な言葉と、「壁尻」というシチュエーションが同居しているのが、この作品の良いところです。
制度としてはやたら合理的。
でも、やっていることはめちゃくちゃ。
そんな状況で綾瀬さんは、処女という事もあり、男子たちから次々と責められることになります。
そして、気が付けば時間いっぱいまで奉仕することに。
こうして綾瀬さんの初めての奉仕活動は終了します。

……が。
本当の意味で彼女の受難が始まるのは、ここからでした。
⸻
翌日。
教室では、男子たちが昨日の奉仕活動について話しています。
そこで綾瀬さんの耳に入ってきたのが、
「雑魚マンコ」
「初心者向けチュートリアル」
などという言葉。
もちろん、綾瀬さんはブチ切れ。
そりゃそうでしょう。
自分が必死になって奉仕活動に参加した結果を、男子たちに好き勝手に評価されているわけですから。
しかも、
「自分はそんなに大したことない」
と言われているようなもの。
ここで綾瀬さんの負けず嫌いな性格が炸裂します。
ならばもう一度参加して、
「どちらが上なのか思い知らせてやる!」
と意気込むわけです。
ところが。
いざ奉仕活動に参加しようとすると――
「攻略済みだから用無し」
と、まさかの門前払い。
プライドをへし折られる優等生の姿は良かったです。
そして普通なら、
「もう二度とこんなところ来るか!」
となりそうなところですが、綾瀬さんは諦めません。
翌日も参加を申し出ます。
成績優秀な彼女はそこまで奉仕活動に参加するメリットも無いのですが、優遇措置は要らないので奉仕活動をさせてほしいと懇願します。
そんな綾瀬さんに紹介されたのが、さらに過激な特別奉仕ブース。
通常の壁尻とは違い、M字開脚の状態にされ、顔まで公開される。
当然、参加希望者は少ない。
そりゃそうだ。
個人情報保護のために「86番」と番号で管理されていたはずなのに、最後は顔まで公開。
匿名性という、この制度唯一の良心まで消えてしまいました。
しかし、ここまで来た綾瀬さんには、もう引き返すという選択肢はありません。
そして彼女は、自ら特別奉仕ブースへ向かいます。
そこで待っていたのは、これまで以上に苛烈な奉仕活動。
最初のクールだった委員長の姿はそこにはなく、オホ声をあげ激しくイキ狂います。
モニター越しに、その様子を観察する先生たち。
ここで、この作品の「裏側」が明かされます。
⸻
そこで明らかになるのは、優秀である彼女をチンポ堕ちさせようと裏で画策していたという事です。
つまり、
「たまたま奉仕活動に参加した優等生が、どんどんハマっていった」
だけではなかった。
最初から彼女が参加する事があれば潰そうと考えでいたわけです。
綾瀬さんは、
「自分は制度を利用している側」
だと思っていました。
ところが実際には、
自分自身が制度によって利用されていた。
この立場の逆転が、この作品の面白いところです。
「こんな法律はくだらない」
「いつか私が変えてやる」
そう考えていた優等生が、その法律によって用意された制度に参加し、気が付けばどんどん深みへ。
しかも、その裏では彼女をそういう状態に持っていこうとする側が動いていた。
ここまで来ると、単なる壁尻シチュエーションというより、
「制度を甘く見ていた優等生が、制度そのものに攻略される話」
と考えたほうがしっくりきます。
⸻
まとめ
『壁尻法案可決されました』は、タイトルからしてかなりぶっ飛んでいます。
「壁尻が法律になりました」
だけでも十分おかしいのに、
「少子化対策です」
「成績面などで優遇があります」
「個人情報保護のため番号で管理します」
と、違和感無く制度としての体裁を整えてくる。
そして何より面白いのが主人公の綾瀬さん。
最初は、
「こんなふざけた法律、私が変えてやる!」
という立場だった彼女。
ところが、成績優遇というメリットを利用するために参加したことをきっかけに、どんどん底なし沼の中へ。
最終的には、その制度に対する彼女自身の立ち位置まで変わってしまう流れが美しい作品でした。
中野日本人の減少率ヤバいからなぁ…
ワンチャンアリなのでは!?ww
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壁尻法案のレビューが見れるとは思わなかった