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ルシファー吉岡の『究極の人体実験ドキュメンタリー番組』FALENO presents 解放!ノーブラジオ!(レビュアー:フィッシャーマンズ)

2件のコメント

令和のエンタメ界において、これほど「歪み」「奇跡的なアンバランスさ」に満ちた番組が他にあるだろうか。

2026年3月27日に惜しまれつつ終了したエスワン、ムーディーズなどWill系専属女優の多数出演したテレビ東京『月ともぐら』、こちらも2026年6月27日をもって終了となったプレステージ専属女優が出演する文化放送『鬼越トマホーク 深夜の弾痕』小湊よつ葉がパーソナリティを務めるSOD専属女優ゲストのラジオ番組『SODの土曜のお昼からごめんなさい』と各メーカー、コンプライアンス厳しめになるメディアのどこでどう宣伝し、女優さんを出すかを考え始めている。

そんな中、Youtubeでファレノ女学院を仕掛けてきたFALENOが立ち上がった。渋谷クロスエフエムで2026年6月から開始された隔週土曜日の夕方16時から公開生放送されている『FALENO presents 解放!ノーブラジオ』だ。タイトルだけを見れば、昨今ありがちなお色気優先の、男性向けハレンチ番組だと思うかもしれない。あるいは、デレデレしたおじさん芸人がセクシー女優を相手に下ネタを連発する、よくある深夜ラジオのノリを想像するだろう。

しかし、その先入観のままこの番組を聴くと、誰もが激しい衝撃を受けることになる。なぜならこれは、下心を売りにしたエロ番組などではなく、「40代半ばにして人生初のメインMC(仕切り役)を任されたド真面目な大学院卒の天才コント師・ルシファー吉岡が、ノーブラ美女に包囲された異世界で、自らの理性を保つために必死に防衛線を張り、1人で大パニックを起こして自爆していく姿を愛でる『究極の人体実験ドキュメンタリー番組』」だからである。

まだ番組を聴いたことがない人や、渋谷のスタジオ前での生観覧を迷っている人に向け、この令和最先端のセキュリティ系ハレンチコメディの魅力を、2つの見どころから徹底的にレビューしたい。

見どころ(1):エロ(非日常)× 驚異の生真面目(日常)が生む「ルシファー吉岡の防衛戦」

本番組最大のコアは、MCを務めるルシファー吉岡という男の「圧倒的な常識とプライド」、そして理系インテリならではの「ウブな生真面目さ」にある。

ルシファー吉岡は、マセキ芸能社の誇る超実力派コント師であり、『R-1グランプリ』決勝常連のプレイヤーだ。得意とするのは妄想下ネタ。しかしエロといっても俗っぽいというより、緻密な組み立てを駆使したネタの世界。ここで戦ってきた彼にとって、口ではご褒美と言いつつも、「土曜夕方の渋谷で、Tシャツの下はノーブラのトップセクシー女優2人と50分間のフリートークを回す」という環境は、完全なる異世界(アウェイ)である。

彼の生真面目さは、本番前からすでに裏目に出始める。「大人の社会人として失礼があってはならない」と、事前に「FALENO」のWikipediaを猛予習して知識を頭に叩き込んで臨むものの、「FALENO」を事務所と勘違いし(メーカーと事務所ってどちらも所属とか専属とかいうからライトファンに区別がつかないのは仕方ないとはいえ)業界の仕組みや文脈を勘違いし、ガラスの向こうのスタッフに平謝り。

さらに、出演女優陣(三葉ちはる、つばさ舞など)から「まいまい」「ちはるん」といった可愛いニックネーム呼びをパスされても、「40代のおじさんが若い女の子にデレデレしていると思われたくない」「下心があると思われたくない」という強烈な自意識の防壁が働き、「おじさんにはきつい」とガチ拒絶。結局、最後まで「まいまいさん」「ちはるんさん」と「さん付け」の安全地帯に引きこもるのだ。

目の前の女性たちは全員ノーブラという生々しい現実に対し、あえて冷たいビジネスマナーの壁を一枚挟むことで、自分の目線がセクシーな部分に向かないよう必死に自分自身を律している。この、下心を完璧に削ぎ落とした結果、エロい番組公式ポーズ(自分の乳輪サイズを親指と人差し指で作り掲げるポーズ)を掲げているはずなのに、まるでお寺の住職が邪気を払う御祈祷でもしているかのような神聖な真顔になってしまうルシファー氏の佇まいこそ、この番組でしか見られない極上の笑いである。

見どころ(2):トッププロの女優陣が見せる「圧倒的な余裕」「生ハプニング」の贅沢さ

ガチガチに緊張して直立不動の防衛戦を繰り広げるルシファー氏とは対照的に、ゲストとして登場するFALENO専属女優たちの「プロフェッショナルとしての圧倒的な場慣れ感」「陽キャの余裕」も、生観覧における最高の見どころだ。

彼女たちは、日常的に「一番美しく、セクシーに自分を見せること」を極めているトッププロ。収録中はガラスを隔てての無料観覧者はカメラ撮影自由。カメラを向けられれば、瞬時に一番自分が可愛く見える角度(キメ顔)を作り、脱力した美しいポーズをとってみせてくることも多々(あくまでサービスなので、基本は番組に集中させてあげよう!)。

しかし、生放送ゆえの「編集不可能な人間味」が牙をむく瞬間もある。例えば、トークは非常に饒舌なのに実は漢字が苦手なつばさ舞が、番組最後の告知コーナーでといった漢字が読めず、パニックを起こす一幕も。本人は具体的に喋りたいがために慎重にゆっくり読み進めるものの、時間は無情に過ぎていく。この時、ルシファー氏の脳内は「いじりたいけれど、ここでいじったら説明が1分止まってガチで放送事故になる!」という大パニックに陥っていたに違いない。結果、ルシファー氏はツッコミをグッと堪え、デジタル時計を凝視しながら気が気じゃない顔で残り数秒のカウントダウンを耐え抜いた。慣れているタレントなら「詳しくはX(旧Twitter)を見てください!」と1秒で巻くところを、彼女たちのピュアな暴走と、それを不器用に見守るルシファー氏の優しさが衝突。話が盛り上がり、予定していたネタメールが読めなくなって誰に向けてともなく謝る。女優陣もファレノ女学院やゴッドタンなどを経ているメンバーも多く現時点ではトーク力はある面々。悪気なくエロワードが女優陣の口から飛び出し、冷や汗をかきながらフォローする生真面目常識人MCという場面も散見された。この、台本にないスリリングな温度差を生で体感できるのは、公開生放送、生配信ならではの特権と言える。

「これ以上、絶対にミスは許されない」「大人の社会人として、全員を不快にさせずにスマートに生放送を終わらせなければならない」「下ネタやってるけどAV業界のこと何も知らない」──。そんな全責任を背負った40代の初MCが、次にやるべき段取りを考えてたまに完全な無言(フリーズ)になったり、おっぱいを見れずに正面を凝視して固まる姿は、サスペンス映画以上のハラハラ感がある。女優になったきっかけから聞いてくれるので、ライトファンにとってはルシファー氏とともに業界の知識、女優さんの知識を学べる機会にもなるだろう。

結論:これは「誰も傷つけない、世界一手探りで安全なエロコメディ」

もしMCのルシファー吉岡までが鼻の下を伸ばしてデレデレとリラックスしていたら、それはただの「羨ましいおじさんのエロラジオ」で終わっていただろう。ルシファー氏がこれだけバッキバキに緊張し、大人の良識というブレーキを最大出力で踏み続けてくれているからこそ、私たちはこの番組を「最高に上質で安全なコメディ」として、心の底から安心してエロを笑うことができる。

百戦錬磨の女優陣が放つ「プロの美と余裕」(陽)と、初めての仕切り役に泥臭く奮闘するベテランコント師の「生真面目な緊張」(陰)。この奇跡的な非対称性と温度差こそが、本作の真髄である。

コアな公開生放送、生配信の環境だからこそ、今からこの熱量に立ち会えば、番組が渋谷の覇権を握っていく歴史の証人になれるだろう。ぜひ、まずはポッドキャストや動画配信で彼女ら、彼らの極限の防衛戦を聴き、そしてタイミングが合えば、あのガラス張りのスタジオ前で女優陣の可憐で優雅な青信号とルシファー氏の額に灯る理性の赤信号を生で目撃してみてほしい。他では絶対に味わえない、最高の人間ドラマがそこにはある。

出演者 メインMC:ルシファー吉岡
2026年6月13日、サブMC:美乃すずめ ゲスト:浜辺やよい
2026年6月27日、サブMC:つばさ舞 ゲスト:三葉ちはる

中野

まず「そんな番組があったのか!」ってなったし、なによりフィッシャーマンズさんの文章がガチで見やすくて面白い!
個人的に、文章だけならファザナビ過去一では?というレベルのレビューです。

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